手書きの文字は世界にたった一つの証
あなたにしか出せない温度が人の心をそっと温める
現在デジタル時代の中で、「手書きすることがほとんどなくなった」「手書きに苦手意識がある」と感じている人が増えており、書く頻度が減るほど自分の字に対する苦手意識が強まるという傾向も明らかになっています。しかし、一方でデジタル時代でも手書きのメリットは感じていることや、約8割の人が手書き文字を受け取ると嬉しい気持ちになると感じており、手書きには今もなお、人の心を動かす力があることがわかります。そこで手書き文化の価値を目で見て、手で触れて、心で味わうことができる「Heartful Dish」を制作いたしました。
手書き文字とデジタル文字の違いを視覚的・感覚的に表現するために、「ケーキ(隠し味のアナログ文字)」と「アイス(隠し味のデジタル文字)」をフェルトでひとつひとつ手作りしました。この二つのスイーツを通して、手書きとデジタル文字の対比を体感できるようになっています。手書き文化の価値を、見て、触れて、心で味わうように手書きの良さを体感できる作品として仕上げ、手書き文化への意識を喚起します。
作品紹介ムービー
作品説明
ケーキ名がアナログ文字の特徴になっており、アイス名がデジタル文字の特徴になっています。アナログ文字入りのケーキ名は、手書きで書かれており、デジタル文字入りのアイス名は、デジタルで書かれています。
ケーキには、全て筆跡の違うメッセージカードが入っており、アイスにはデジタル文字のメッセージが入っています。
スイーツを選んでいただく際、お皿は持ち上げずに、選び終わり、中の文字を見比べた後に、お皿を持ち上げていただくと問いかけがお皿に書かれています。
◉この作品と社会課題
スマートフォンやパソコンの普及により、現代では「手で文字を書く機会」が大幅に減少しています。
その影響で、自分の字に対する苦手意識や嫌悪感を抱く人が増えており、「手書き離れ」は世代を問わず進んでいます。
しかし、調査では約8割の人が「手書きの文字を受け取ると嬉しい」と感じており、手書きは今もなお、人の心を動かす力を持っています。
◉どういう着想から生まれたか
「書くことに苦手意識を持っている人が多いのに、手書きの文字は嬉しいと感じられる」という矛盾に注目しました。
 また、誰かのために書いた文字には、デジタルでは代替できない「温度」や「想い」が込められていると感じ、「手書き文化の価値」を改めて伝えたいという思いから着想を得ました。
◉課題解決の方法
デジタル文字と手書き文字の違いを視覚的・感覚的に表現するために、「フェルトケーキ(手書き)」と「アイス(デジタル)」というモチーフを制作しました。触れて、見て、味わうように「手書きの良さ」を体感できるように仕上げ、手書き文化への意識を喚起します。
◉体験方法
トングを使い、お好きなケーキとアイスを選んでお皿に盛り付けてください。(※この時お皿は持ち上げずに盛り付けるようにしてください)
触れて隠し味の文字(ケーキには筆跡の異なる手書きメッセージ、アイスには無機質なデジタル文字が入っている)を見つけて、文字が見えるように置き、手書きとデジタルの印象の違いを見比べてみてください。
盛り付けが終わったら、お皿をそっと持ち上げてみてください。
体験の最後に、お手紙型の箱のメッセージカードを配布しています。中にはメッセージカードが入っており、あえて表面はデジタル文字、裏面は空白になっています。ぜひあなたの手で、言葉を手書きしてみてください。
◉メッセージ(この作品を通してどのように世界が変わってほしいか)
忘れかけていた「手で書くこと」の意味、手書きの温かみをもう一度感じてほしい、手書きで書く機会が少しでも増えるきっかけになればというを込めています。